ロイヤルティプログラムは、購入、ソーシャルメディアへのフォロー、定期購入の申し込みなど、顧客のさまざまなアクションに対してインセンティブを与えることができます。
YOTPOが実施した2022年の調査によると、世界の回答者の69％以上が、ロイヤルティプログラムによってブランドへのロイヤルティが高まると回答しています。また、消費者はロイヤルティをどのように定義しているかというと、38%以上の消費者は、ブランドから5回以上購入した後に、自分にはロイヤルティがあると答えており、ロイヤルティプログラムは、この数字に早く到達させる方法の1つです。
ブランドにとってロイヤルティプログラムは、平均注文額（AOV）、リピート購入、生涯価値（LTV）を高めるとともに、満足した顧客をブランドの支持者にするものです。
つまり、ロイヤルティプログラムは、消費者の購入意欲を維持し、Win-Winのリテンション戦略となっているのです。
Princess Polly ロイヤルティでVIP体験を創り出す
オーストラリアを拠点とするファッションブランドPrincess Pollyは、特にZ世代に愛用者が多いブランドです。
以前は、Z世代の愛用者と初回購入者を区別して対応していませんでした。何度も購入している顧客と一度購入した顧客に同じように対応していたのです。
しかし、優良顧客に価値を感じてもらい、最高の顧客体験を実現するためには、よりパーソナライズされたサービスを提供することが必要だと考えました。そして、ロイヤルティを高めるために、ブランドのソーシャルチャンネルでロイヤルティが高い愛用者が紹介される機会や、Facebookグループへの限定アクセスなど、体験型のVIPプログラムを用意しました。
結果的に、ロイヤルティプログラムを導入することで、Princess Pollyはリテンションを高めることができたのでしょうか？
答えはイエスです。
Princess Pollyのロイヤルティプログラムは、購入者のブランドに対する貢献度を高めました。現在、ロイヤルティの高い購入者は同社の最も価値ある顧客であり、66％のリピート購入率、平均的な顧客と比較しても高い平均注文額となっています。Princess Pollyのロイヤルティプログラムは、全体として15.4倍のROIを生み出したと分析されています。
HomeWorx D2Cへ移行しロイヤルティに投資
2020年以前、HomeWorxのおもな販売チャネルは、実店舗と24時間のテレビショッピングを放送する専門チャンネルだけでした。
パンデミック時に店頭での買い物がどのようになっていくのか、予測することが不可能になったタイミングで、これをD2Cプラットフォームを成長させ始める機会だと捉えました。顧客がWebサイトに戻って購入するインセンティブを与え、コンバージョン率を高めるには、ロイヤルティプログラムが重要な戦略になると考えました。
そこで、HomeWorxは「Club HomeWorx Rewards」という段階的なロイヤルティプログラムを作り、複数のキャンペーンを実施して、顧客エンゲージメントと顧客維持を促進しました。
このプログラムでは、リピート購入を促進するためのパンチカードキャンペーン、独占性を高めるためのVIPプログラム、ソーシャルメディア上でフォローすることに対するインセンティブを与える施策などを実施しました。また、「Club HomeWorx」を利用して商品の発売やキャンペーンを盛り上げ、早い段階でROIを向上させました。
結果として、この戦略は成功を収めました。
Homeworxは定着率を25％上げ、プログラム会員は非会員と比較して4倍の商品購入に至りました。
以上のことから、ロイヤルティプログラムはリテンション施策として明らかに有効であることが分かります。
※本記事は「How Loyalty Creates Long-Term Brand Lovers 」を翻訳・加筆修正したものです。
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