UGCとCGMの違いとは?
CGMを運用するポイントやUGM・CGMの活用事例も紹介
UGCとは?
UGCは「User Generated Content」を略した言葉で、企業ではなく一般のユーザーが制作・発信する、テキスト・写真・動画・音楽などのデジタルコンテンツを指します。
「User Created Content」の頭文字を取って、UCCと呼ばれることもあります。2000年代頃からの、インターネットの高速化・大容量化や高性能なデジタルデバイスの普及、投稿サイトの充実により、多くのUGCが生み出されるようになりました。具体例には、SNSの投稿や投稿に対するコメント、口コミサイトのレビュー、Q&Aサイトの質問と回答、ブログ記事、ネット掲示板の投稿などが挙げられます。
なお、下記の記事でUGCについてさらに詳しく説明しているので、併せて参考にしてください。
CGMとは?
CGMは「Consumer Generated Media」を略した言葉で、一般のユーザー(消費者)が投稿する情報で形成されたWebサービスを指します。代表的なCGM の例は、次のとおりです。
<CGMの具体例>
種類 | 例 |
SNS |
• Twitter
• YouTube |
口コミサイト | • 食べログ • 価格.com • アットコスメ • トリップアドバイザー • ホットペッパービューティー |
Q&Aサイト | • Yahoo!知恵袋 • OKWAVE • 発言小町 |
ブログ | • アメーバブログ • note |
ネット掲示板 | • 5ちゃんねる • ガールズちゃんねる |
このように、商品やサービスなどに関する情報を誰でも発信できるメディアが、CGMに該当します。
UGCとCGMの違いについて
UGCとCGMそれぞれの定義を聞いただけでは、両者の違いをイメージしにくい方もいるかもしれません。
UGCは「CGM 内で生み出されるコンテンツ」、CGMは「UGCが生み出される場所」と表現できます。極端にいえば、CGMが「入れ物」で、UGCが「中身」です。
また、CGMを1本の木に置き換えると、UGCは木を形成するのに不可欠な1枚1枚の葉っぱと表現できるでしょう。
UGCやCGMが注目される背景
UGCやCGM 自体は以前から存在していましたが、注目されるようになった背景には、SNSの普及が挙げられます。SNSの利用者が増加したことや、リツイート機能などにより情報が拡散されやすくなったことで、UGCであるSNSの投稿がユーザーの購買行動に影響を与えるようになりました。
また、企業が一方的に配信する広告は、ユーザーの受け取りたい情報と異なるケースが少なくありません。毎日たくさんの「受け取りたくない情報」にさらされる現代では、広告に対して「押し付けられる」「煩わしい」ものと、嫌悪感を抱くユーザーが増えています。広告のような嫌悪感がなく、「リアリティがある」「信頼できる」情報として、ユーザーが UGC に価値を見出すようになったことも、UGC やそれを掲載する CGM が注目されている理由の一つです。
CGM運営のポイント
ここでは、CGMを運営するうえでのポイントを3つ紹介します。
-
ユーザーが自発的に投稿してくれる環境をつく
CGMは、UGCが生み出されないと成り立たないため、ユーザーが CGM 内で自発的に情報を発信しやすい環境を整えなければなりません。
具体的には、誰でも簡単に投稿できる仕組みや、投稿したくなる仕組みを作ることが大切です。投稿したくなる仕組みとして、ユーザーを巻き込むキャンペーンを実施する、運営側がピックアップした投稿に報酬を与えるなどの方法があるでしょう。
また、ユーザーに投稿を継続してもらうには、ユーザー目線でのサービス設計を行ない、使いやすい・わかりやすいと感じてもらう必要があります。
-
リスク管理を行なう
運営する CGMの信用を守るため、UGCに対するリスク管理を徹底する必要があります。
一般のユーザーが発信する情報には、誤った内容が含まれる場合があります。誤情報が拡散されると、情報の受け取り手や名前の挙がった企業・ブランド・商品などに、何らかの被害が発生するかもしれません。運営するCGMや情報を発信したユーザーが、誤情報の拡散元とみなされ、トラブルに発展する可能性もあるでしょう。
加えて、CGM内ではステルスマーケティング(ステマ)や中傷の発生も懸念されます。ステルスマーケティングとは、企業の介在があることを隠し、宣伝と気付かれないように、特定の商品・サービスに対する良い評価を発信する行為です。
誤情報の発信やステルスマーケティング、中傷が横行しているCGMは信用されなくなってしまうため、ガイドラインの制定や適切な監視によるリスク管理が求められます。
ただし、ユーザーの行動を制限しすぎると、使いにくさなどの不満から利用者離れを引き起こすリスクがあるため、バランスを見極めることがポイントとなるでしょう。
-
公正な立場を心がける
CGMの運営側は、常に公正な立場であることを意識しなくてはなりません。
例えば、「良い評価だけを残して悪い評価を削除する」など、運営側の都合で情報を選別する行為は、ユーザーの反感を招きます。
同じ商品・サービスでも見方や感じ方は人それぞれ異なるため、どの意見も「誤り」ではありません。したがって、ユーザーの率直な意見として、運営側は公正中立な立場で情報を扱うよう心がけることが重要です。
あらかじめ、ガイドラインで情報の削除基準を明確にしておけば、情報を削除してもユーザーに納得してもらえるでしょう。
UGC・CGMの活用事例
UGCやCGMの運用・活用方法がさらにイメージしやすくなるよう、UGCやCGMの活用に成功している企業の事例を見てみましょう。
-
UGCの活用事例
UGCにはさまざまな種類があります。ここでは、UGCのうちテキスト・写真・動画を活用した事例を紹介するので、参考にしてください。
-
PIA
カラーコンタクトレンズなどの製造販売を行なう「PIA株式会社」では、購入ユーザーのレビューや写真をメール・Instagramから収集し、自社ECサイトに掲載しています。サイトでカラーコンタクトレンズを購入した人の半数以上が、商品ページのレビューや写真に接触しているというデータから、UGC施策により力を入れるようになりました。
サイトを訪れたユーザーの商品選びをサポートするため、レビュー収集時には「裸眼の色」「装用感」について質問し、レビューとともに掲載している点がポイントです。また、レビューと写真の両方があることで、リアルな情報が伝わりやすくなっています。
-
RAVIJOUR
ランジェリーブランド「RAVIJOUR(ラヴィジュール)」を手がける「株式会社RAVIJOUR」では、レビューや写真などの幅広いUGCを収集・活用しています。
レビューはメールから直接投稿できる仕組みとなっているため、サイトへログインする手間がかかりません。また、Instagramの投稿を自社サイトに掲載する前には、ユーザーに掲載報告をしています。すると、ユーザーが喜び、自分の投稿が掲載されたサイトの写真を、またInstagramに投稿してくれるというサイクルが生まれました。
さらに、ユーザーの写真や動画をまとめて表示するコンテンツ「UGCギャラリー」を作り、商品購入の導線を強化しています。 -
某乳幼児玩具メーカー
某乳幼児玩具メーカーでは、新商品のベビーバス用品の宣伝にあたり、ユーザー参加型の動画投稿キャンペーンを実施しました。
商品の使用場面を動画で撮影し、商品名のハッシュタグを付けたうえで Instagram やTwitter などに投稿すると、必ずプレゼントがもらえるという内容のキャンペーンです。
キャンペーンを成功させるため、事前に先行モニターを Instagram で募集し、質の高いUGC が生まれるよう工夫した点がポイントです。
キャンペーン投稿を目にしたユーザーは、商品の活用シーンや特長などを動画でわかりやすく把握できたと推測されます。
-
-
CGMの活用事例
CGMの活用事例を2つ紹介します。-
某Q&Aサイト
1つ目は、ユーザーが質問を投稿し、別のユーザーが知識や経験をもとに回答することで解決していくCGMです。質問・回答の当事者以外のユーザーもやり取りを閲覧でき、質問できるジャンルの制限もありません。
複数の回答が得られた場合は、質問者が最も役に立ったと感じる回答を選びます。選ばれた回答者には、運営事務局や質問者から、サイト内での活躍度を表すポイントが進呈されるという仕組みです。
質問者は「いつでも・何でも質問できる」と感じ、回答者は「人の役に立っている」とやりがいを得られることが、サイトの利用促進につながっていると考えられるでしょう。 -
某口コミサイト
2つ目は、ユーザーが飲食店の情報を登録したり、実際に訪れた飲食店の口コミや写真を投稿したりできる CGM です。飲食店を探しているユーザーは、ジャンル・目的・予算などから候補を絞ったうえで、口コミを参考にして希望に合うお店を見つけられます。
公平性を保つため、ガイドラインに違反していない限り、飲食店のオーナーはユーザーの口コミを削除できません。賛否両論の多様な口コミを掲載することで、参考になるサイトとしてユーザーの信頼を得ているといえるでしょう。
-
UGC・CGMの活用事例
前章「UGC・CGMの活用事例」のうち、UGCの活用事例で取り上げた「PIA」・「RAVIJOUR」の2社は、UGCマーケティングツール「YOTPO(ヨットポ)」を導入しています。
YOTPOはEC事業者向けのUGCマーケティングプラットフォームで、UGCの収集から活用、効果検証までワンストップで行なえます。収集できる UGCは、レビュー・写真・動画と多岐にわたり、収集方法も「ユーザーから直接」「Webページにアップロードされたコンテンツ」「Instagramの投稿」とさまざまです。解決したい課題やニーズに応じて、取り組みの選択肢が広がるでしょう。
また、UGC収集時の特長の一つに、レビュー入力のしやすさが挙げられます。UGCの活用事例でも触れたとおり、ユーザーはレビュー投稿のためにサイトを訪問する必要がなく、レビューリクエストメールからの直接投稿が可能です。このような利便性から、YOTPOでのレビュー収集率は最大10%を誇ります。
収集した UGCは、Webページ掲載によるCVR改善はもちろん、SNS・広告・SEO改善といった集客施策にも幅広く活用可能です。
YOTPOについてさらに詳しい情報を知りたい方や、お問い合わせをご希望の方、導入事例を確認したい方は、下記ページをご覧ください。
YOTPO公式ホームページはこちらから
お問い合わせフォームはこちらから
YOTPOの導入事例はこちらから
まとめ
UGCと、UGCで形成されるCGMは、SNSの普及などを背景に注目度が高まっています。あらためて両者の概要・違いをまとめると、以下のとおりです。
概要 | 具体例 | 位置付け | |
UGC | 一般のユーザーが制作・発信する、テキスト・写真・動画・音楽などのデジタルコンテンツ | SNSの投稿や投稿に対するコメント、口コミサイトのレビュー、Q&Aサイトの質問と回答、ブログ記事、ネット掲示板の投稿 | 中身 |
CGM | 一般のユーザーが投稿する情報で形成される Web サービス | SNS、口コミサイト、Q&Aサイト、ブログ、ネット掲示板 | 入れ物 |
CGMの運営にあたっては、ユーザーが UGC を生み出しやすい環境を整えなければなりません。また、運営側は公正な立場を保ちつつ、適切なリスク管理を行なうこともポイントです。
今回紹介した事例を参考に、UGC・CGMを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。併せて、UGCマーケティングツール「YOTPO」を、課題解決にぜひお役立てください。