口コミマーケティングのメリットとは?

成功に必要な6つのポイントと企業の成功事例


 

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インターネットの普及により、消費者の消費行動や広告に対する意識は大きく変化しています。口コミを信頼性の高い情報とする傾向が高まっていることから、口コミマーケティングを活用する企業が増えています。

しかし、初めて口コミマーケティングを実施する場合、具体的なメリットは何か、成功には何が必要か、わからないことも多いはずです。

当記事では、口コミマーケティングが注目される理由と2つの手法、メリットと成功させるためのポイント、企業の成功事例、注意点について解説します。

 


 

口コミマーケティングの基本情報

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口コミマーケティングの概要や注目される理由、2つの手法を見ていきましょう


 

口コミマーケティングとは?

口コミマーケティングとは、ユーザーの口コミを活用し、売上や商品・サービスの認知度を向上させるマーケティング手法です。「レビューマーケティング」と呼ぶこともあります。

通常の口コミはユーザー同士で自然発生的に広まりますが、口コミマーケティングではSNSなどを活用し、口コミの発生を促します。具体的には、ターゲット層のユーザー間で話題にのぼるようなSNSキャンペーンをはじめとする、プロモーション活動を行ないます。

口コミマーケティングはBtoCだけでなく、BtoBでも活用が進んでいます。BtoBであっても、商品やサービスを導入する前に口コミで情報収集することが多いためです。BtoBの口コミマーケティングでは、口コミサイトや自社サイト、公式SNSなどから情報を収集し、以下のように活用しています。

  • Webサイトやランディングページに口コミを掲載し、信頼感を醸成する
  • メルマガやホワイトペーパーに口コミを掲載し、購入を促す
  • 営業や展示会の資料に口コミを掲載し、顧客満足度など根拠のある情報を提供する
  • 外部広告メディアに口コミを掲載し、外部の評価によるポジションを確立する

 

口コミマーケティングが注目される理由

口コミマーケティングが注目される背景には、広告に対する不信感と、口コミが消費行動に与える影響力の高さがあります。

インターネットが普及する前は、テレビCMや雑誌などの広告で購買行動を決定するのが一般的でした。しかし、情報化社会の現代では、SNSや口コミサイト、レビュー機能など、さまざまな媒体から情報の収集が可能です。

一方で、企業側からの一方的な情報である広告は、「良い部分だけを取り上げている」と判断され、消費者から信用されにくくなっています。そのため、商品を実際に利用しており、ひいき目なしの情報を発信する口コミの信用性が高まっているのです。

実際、商品を購入する前に口コミを検索し、それをもとに消費行動を起こす消費者も増えています。現代では完全なオリジナル商品は少なく、何を買うとしても多くの商品のなかから比較・検討が必要です。どの商品が最適か自身だけで判断することは容易ではないため、第三者の評価である口コミは重要な判断基準となっています。


 

口コミマーケティングの手法は2種類

口コミマーケティングの手法には、「バズマーケティング」と「バイラルマーケティング」の2種類があります。

  • バズマーケティングとは?

    バズマーケティングとは、SNSなどで戦略的に口コミを発生させ、商品やサービスの情報を拡散させるマーケティング手法です。「バズ」とはもともと噂話をする様子を意味する言葉で、近年はSNS上の情報シェアや拡散を指します。
    バズマーケティングの施策としては、オリジナルハッシュタグなどのSNSを活用したキャンペーン、インフルエンサーによる商品紹介などが挙げられます。影響力のあるメディアや人物を活用して情報を拡散させるため、短期間で一気に口コミが広がるのが特長です。
    ただし、バズマーケティングは爆発的に情報が拡散する反面、一時的なものに終わりかねないため、新規顧客をつなぎとめる施策も必要となります。

  • バイラルマーケティングとは?

    バイラルマーケティングは、人為的ではなく、自然発生した口コミを活用するマーケティング手法です。バイラルは「ウイルス性」という意味の言葉で、人から人に口コミが広がる様子を指します。
    バイラルマーケティングでは、「自分が良いと思ったものを友人や知人に紹介したい」という心理を活用します。口コミがじわじわ広がることで、中長期的に顧客を増やすことが
    可能です。また、友人や知人など顧客同士のつながりで拡散していくため、不特定多数に向けた広告よりもターゲット層にアピールしやすい特長もあります。


 

口コミマーケティングによる4つのメリット

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口コミマーケティングによる 4 つのメリットが期待できます。

  • 多方面の消費者に認知が広がる

    口コミマーケティングのメリットとして、多方面の消費者にアピールできることが挙げられます。

    口コミは家族や友人などとの対面に加え、SNSや口コミサイト、ブログなど、さまざまな媒体で拡散されます。そのため、商品やサービスのターゲット層だけでなく、従来のマーケティング手法ではアプローチできない層にも認知を広げられるのです。

    商品を知らなかった人が口コミをきっかけに商品を気に入り、購入するケースも少なくありません。口コミを上手に活用すると、新規顧客の開拓も期待できるでしょう

  • 販促効果が高い

    口コミを活用することで、商品を知っている顕在顧客に対する販促効果が期待できます。商品の候補が複数ある場合、良い口コミの存在は購入を決定する理由になるためです。新規購入だけでなく、継続的に購入するかどうか判断する際も口コミが役立ちます。

    購買行動を後押しする口コミを企業側が先回りして提示すると、信頼性が向上し、購入率もアップするでしょう。

    また、ユーザーが発信した口コミは、削除されない限り資産となって積み上がります。一過性の販促効果ではなく、中長期的な販促効果も期待できるでしょう。

  • マーケティングの費用を抑えられる

    マーケティングの費用を抑えられることも、口コミマーケティングのメリットです。

    営業や広告などのマーケティング施策は費用がかかるうえに、期待したほどの効果が出ない、費用がかさむと利益が出ないなどが起こる可能性があります。一方、口コミマーケティングではユーザーが自ら口コミを拡散するため、費用を抑えやすい傾向があります。

  • 消費者から信頼を獲得できる

    口コミをマーケティングに活用することで、消費者からの信頼も獲得しやすくなります。

    企業側からの一方的な情報発信は、企業にとって都合の良い情報が中心で、消費者の信頼を得にくいのが実情です。しかし、口コミマーケティングはユーザー間で情報が拡散されるため、意図的に流される広告よりも信頼性が高くなります。

    インターネットショッピングを利用する際は、年齢を問わず、口コミを参考にするのが現代の主流です。特に、若年層ほど口コミを重視する傾向が強いため、若年層をターゲットとする場合は、口コミマーケティングを実施することで信頼性の獲得につながりやすいでしょう。

 


 

口コミマーケティングを成功に導く6つのポイント

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口コミマーケティングを成功させるには、以下の6つのポイントを実践しましょう。

  • 企画のコンセプトを確立する

口コミマーケティングを実施する前に、企画のコンセプトを明確にしておきましょう。「誰に、何を、何の目的で行なうのか」を具体的に決めておくと、一貫性のある口コミマーケティングを実施できます。

また、良い口コミが生成されるには、自社商品が消費者にとって役立つものであることが大前提です。商品を購入するメリットや従来品との比較など、顧客に与える価値も洗い出しましょう。顧客に刺さるアピールポイントを絞って口コミを拡散すると、購買意欲を高められるでしょう。

  • 集客につなげる導線の設計

    口コミを見た消費者が購入などのアクションを起こせるよう、集客までの導線も設計しておきましょう。

    口コミマーケティングは口コミを拡散するだけでなく、消費者に商品やサービスを利用したいと思ってもらう必要があります。口コミで生じた購買意欲が落ちないうちに、すぐ販売ページへ遷移できる導線作りが効果的です。

  • 口コミを投稿したくなる仕組み作り

    口コミマーケティングを実施するにあたっては、口コミを増やすことが大前提です。口コミが増えるように、ユーザーが思わず口コミを投稿・拡散したくなる仕組みを作りましょう。

    実店舗の場合なら、誕生日にサプライズでサービスする、口コミ投稿で割引や特典を付けるなどの施策が効果的です。口コミ投稿用の QR コードを店内に設置し、投稿を促す方法もあります。

    SNSでの施策としては、「フォロー&リツイート」や「ハッシュタグ」を活用したキャンペーンもよいでしょう。

    前者では、対象アカウントのフォローとリツイートを促し、抽選でプレゼントが当たる、といった特典を与えるのが主流です。フォロー&リツイートは手間が少ないため参加しやすく、商品やサービスの認知度が高まります。後者は、指定のハッシュタグを付けて、自社商品に関するツイートを投稿してもらう手法です。商品やサービスの認知度の拡大に加え、UGC(ユーザー生成コンテンツ)も生成できます。

    UGCについて詳しくは以下のページもご参考ください。
    1.UGC(User Generated Content)とは?

商品やサービスの感想、要望などをハッシュタグ付きで投稿してもらうことで、多くのUGCを短期間で収集することが可能です。指定のハッシュタグ投稿が増えると、ユーザーの認知が高まり、キャンペーンの二次拡散も期待できます。

ただし、ハッシュタグを付けての投稿は、ユーザーが手間に感じる場合もあります。ハッシュタグキャンペーンを成功させるには、フォロー&リツイートと同様に、特典を付ける、ハッシュタグはシンプルにする、数を絞るなどして投稿のハードルを下げましょう。

  • インフルエンサーの活用

    SNSにおいてインフルエンサーは影響力が大きく、紹介した商品が即完売することも珍しくありません。インフルエンサーを起用し、感想やレビューの投稿を依頼すると、彼らのファンの間で商品の認知度や魅力が高まります。

    また、インフルエンサーのファンが口コミをシェアすると、さらなる拡散が期待できるメリットもあります。

  • 口コミを二次活用する

    自社のLPやEC、メルマガ、広告クリエイティブなどに、口コミを二次使用する方法もあります。消費者の参考になる口コミをコンテンツとして活用すると、CVRやCTR、CPAなどの改善につながることがあります。実際に商品を使用したユーザーの口コミをLPに掲載した結果、LPのCVRが大幅に改善した事例も少なくありません。

    ただし、口コミを二次使用する際は、投稿者に使用許諾をとる必要があります。無断で二次使用した場合、ユーザーとの間でトラブルが起きかねません。DMなどで投稿者に直接連絡をとり、二次使用する理由や使用場所を伝え、許可を得ることが大切です

  • 長期的な視野で取り組む

    口コミは資産となって積み上がるため、長期的な販促効果が期待できます。口コミマーケティングも同様に、最新の口コミを露出し続けながら長期的に取り組むことで、影響力がさらに高まるでしょう。

    ただし、季節商品や期間限定商品などは商品サイクルが早いため、口コミが続きにくいこともあります。このような口コミマーケティングが難しい商品の場合は、希少性をアピールして購買意欲を上げる「期間限定商品マーケティング」を取り入れるとよいでしょう。

    期間限定商品マーケティングとは、「買えるのは今だけ」という行動心理を応用した手法です。質の良い商品を販売すると、レギュラー商品や企業の PRにもつながります。

    なお、「ファッション」はユーザーの口コミ(UGC)と相性が良いにもかかわらず、季節商品が多く、長期的に口コミを集めにくい傾向があります。ファストファッションになると商品サイクルがさらに早まるため、長期的に口コミを集めるのは困難です。つまり、ファッションのように商品サイクルが早い季節商品において、期間限定商品マーケティングは有効な手段とはいえません。

ファッションで口コミを有効活用するには、商品レビューとストアレビュー(サイトレビュー)を両方収集する方法をおすすめします。
商品レビューを期間限定で活用し、当該商品が販売終了した場合はストアレビューを引き続き活用できるためです。

 


 

口コミマーケティングの成功事例4選

口コミマーケティングを実施し、売上向上などに成功した企業の事例を紹介します。

【事例①】:某製菓メーカー

大手の某製菓メーカーは主力商品の記念日を制定し、TwitterやTikTokを活用したキャンペーンを行なっています。

Twitterでは商品名を含んだツイートの投稿数で、ギネス記録を目指すという遊び心のある企画を実施。その結果、約 370 万ツイートを記録し、ギネス世界記録を達成しました。

また、TikTokでは、指定のハッシュタグで動画の投稿を促すキャンペーンを行ないました。ユーザーが楽しめる企画だったこともあり、TikTokの動画はわずか5日間で23,600本も投稿されました。

同社のキャンペーンにはプレゼントなどの特典がなく、コストパフォーマンスが高いマーケティングであったといえます。

 

【事例②】:某製パンメーカー

冷やして食べるクリームパンを主力商品とする某製パンメーカーでは、モニターに商品を食べてもらい、口コミの投稿を促す施策を実施しています。

口コミをSNSなどに投稿する際、指定のハッシュタグを付けて投稿するよう依頼した結果、ハッシュタグがモニター以外にも浸透。一般のファンもハッシュタグ付きで口コミを投稿するようになりました。

収集した口コミは自社の公式SNSにハイライトとしてまとめられ、さらなる口コミの生成にも成功しています。

 

【事例③】:某口コミサイト

あらゆる商品の価格を掲載し、最安値を比較できる某口コミサイトでは、掲示版タイプのレビュー機能を設置。ECサイトの最安値を調べるだけでなく、口コミを参考にして商品を購入する消費者に役立っています。

また、同社のレビュー機能では、口コミを書いたユーザーに質問することが可能です。商品に対する疑問をきちんと解消できるため、安心して購入できるメリットがあります。

 

【事例④】:某健康食品メーカー

葉酸サプリを主力商品とする某健康食品メーカーは、商品を使用したユーザーによるUGCを新規獲得LPに掲載したところ、CVRの増加に成功しました。

同社にとっての課題は、サプリという健康食品の性質上、感想や効果の実感が伝わりにくく、購入に結びつきにくいことでした。商品の画像ではなく、感想の投稿文をメインに表示した結果、消費者の安心と信頼を獲得し、購買行動を後押ししたと考えられます。

口コミマーケティングにおける注意点

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口コミマーケティングを実施する場合、以下の注意点を把握しておきましょう。

  • ステルスマーケティングを回避する

    口コミマーケティングは人為的に口コミを発生させるため、ステルスマーケティング、いわゆる“ステマ”に思われる場合があります。

    ステマは、企業が第三者を装い、利害関係者を通じて自社に有利になる情報を流す行為です。消費者を欺く行為として問題視されるため、ステマが明らかになると、企業のイメージや信頼の低下は避けられません。

    消費者は口コミを信頼性の高い情報と判断するため、ステマと疑われないように対策を講じることが大切です。わかりやすく「PR」と表示するなど、企業や商品との関係性を明らかにしましょう。

  • 悪い口コミの対応をシミュレーションする

    口コミは良い内容だけでなく、悪い内容のものも必ずあります。悪い口コミがあると見越して、どのように対応するか、事前にシミュレーションしておきましょう。

    特に、ネガティブな内容は拡散されやすい性質があるため、迅速かつ誠実な対応が求められます。悪い口コミが発生したとしても、適切な対応ができればユーザーの不満は解消され、悪い口コミの拡散を防ぐことが可能です。

  • 協力者と企画を共有する

    口コミマーケティングを実施する際、コンテンツの作成や情報発信などで協力者の力を借りるケースも少なくありません。自社と協力者のコンセプトにミスマッチがある場合、双方のブランドイメージを傷付ける可能性があります。

    制作会社やインフルエンサーに協力を依頼する場合、企画の方向性をしっかり共有し、コンセプトのミスマッチを回避しましょう。

  • リポストで投稿する

    投稿者から許可が得られたら、UGCをリポストで投稿します。元の投稿者がわかるように、キャプションに記入しタグ付けをしましょう。写真や動画の著作権は投稿者にあるため加工や編集は基本的に行なわず、加工が必要な場合は必ず投稿者への相談が必要です。

    投稿者にはお礼や感謝のコメントを添えると、ユーザーの印象が良くなります。リポストしたあとは、投稿の報告をかねてお礼を伝えましょう。

 


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口コミマーケティングを実施する場合、ツールを活用すると作業の効率化が可能です。そこでおすすめなのが、自社ECサイト向けのUGC活用ツール「YOTPO(ヨットポ)」です。

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まとめ

口コミは広告よりも信頼性のある情報と判断されやすい傾向があります。そのため、口コミマーケティングを実施すると、商品やサービスの認知度を向上させるとともに信頼性も獲得でき、購買行動につなげる効果が期待できます。

口コミマーケティングを成功させるには、口コミを投稿したくなる仕組み作りやコンテンツとしての二次使用、中長期的な視野で取り組むことが大切です。ただし、ステマと疑われないことや悪い口コミへの対応など、注意点も考慮する必要があります。

口コミマーケティングを実施する場合は、口コミ収集から効果測定まで実施できる「YOTPO」の導入をぜひご検討ください。