インスタの埋め込み方法とは?
ECサイトにおける活用方法やメリット、企業事例、注意点について徹底解説
インスタの「埋め込み」とは、Web サイト(ブログなども含む)にフィード投稿を表示できる機能を指します。単に投稿した画像やテキストを貼り付けるのではなく、インスタ上のフィード投稿をそのまま Web サイトに差し込めることが特徴です。
埋め込み機能を使えば、複数の写真をまとめて入れるカルーセル形式の投稿や動画投稿も含めて、インスタと同じように Web サイトで確認できます。埋め込みした投稿から、投稿者のプロフィールに遷移させることも可能です。
また、埋め込み機能は公開アカウントのみ利用できますが、この条件を満たせば他者ユーザーでも投稿を埋め込めるようになります。
なお、埋め込み機能は Web 版のインスタのみ対応しており、アプリ版は未対応なので、あらかじめ確認し、注意しましょう
ECサイトにインスタを埋め込む方法
ECサイトにインスタ投稿を埋め込む場合、以下の 4 つの方法があります。
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HTMLコードを使用する埋め込み方法
HTMLコードで作成された「埋め込みコード」をメニューからコピーして、ECサイトにペーストするという方法です。パソコンで作業する場合、以下のような手順で進めます。
1.埋め込み先の自社 ECサイトでHTML編集ができるか確認する2. パソコンのブラウザからWeb版のインスタにログインする
3. 自社ECサイトに埋め込みたい投稿を表示する
4. 投稿画面の右横にある「・・・」をクリックする
5. メニューが表示されるので「埋め込み」をクリックする
6. 「キャプションを追加」にチェックを入れる
7. 「埋め込みコードをコピー」をクリックし、HTMLコードをコピーする8. 自社ECサイトのHTML編集画面を開いて、投稿を埋め込みたいところにペーストする
なお、手順6にある「キャプションの追加」のチェックを入れなかった場合、写真だけの埋め込みとなるので、必要ならチェックを外しましょう。
また、インスタからコピーしたHTMLコードはレスポンシブ対応済みなので、投稿をパソコン・スマートフォンどちらで閲覧しても、最適な表示サイズに自動調整されます。
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HTMLコードでスマートフォンからインスタを埋め込む方法
スマートフォンのInstagramアプリでは、埋め込み機能を利用できません。
一方、スマートフォンから Web 版のインスタにアクセスすれば、先述したパソコンでの方法のように、HTMLコードのコピー&ペーストで投稿を埋め込むことができます。
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APIを使用する埋め込み方法
インスタ用のAPI(Application Programming Interface)を使うと、ECサイトに投稿を埋め込むことができます。APIとは、アプリやソフトウェアの一部機能を共有する仕組みのことです。
単発の投稿を埋め込むHTMLコードと異なり、APIはタイムラインの一覧表示など特殊な埋め込みにも対応可能です。インスタ用のAPIは運営元のFacebookが公開しており、以下の2種類があります。
- Instagram 基本表示 API(簡易版)
- Instagram Graph API(プロアカウント専用)
投稿を埋め込むだけなら「Instagram 基本表示 API」で十分ですが、事前に Facebook 開発者アカウントおよび Facebook アプリの作成が必要となります。
ただ、API を使用する方法は難易度が高いため、タイムライン表示が必要でなければ、より簡単な HTML コードを使って埋め込みましょう。
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外部の埋め込みツールを使用する方法
APIでインスタ投稿を埋め込む場合、外部ツールの使用がおすすめです。
外部ツールには投稿の一覧表示やデザインのカスタマイズ、ストーリーの埋め込みといった機能が搭載されています。難易度が高いコーディング作業も不要なので、一味違う埋め込みをしたいときに最適です。
ただし、多機能の外部ツールは有料タイプが多いため、費用に注意する必要があります。
ECサイトに埋め込むインスタ投稿のおもな種類とは?
インスタの埋め込み機能で成果を得るためには、商品・サービスの特徴や消費者の目線を踏まえつつ、適切な投稿内容をECサイト内に表示させることが大切です。
そこで、ECサイトに埋め込むべきインスタ投稿の種類を紹介します。
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企業の公式アカウントの投稿
企業の顔とも呼べる公式アカウントは、ECサイトの埋め込みにおける最適なコンテンツです。
原則としてインスタ上の投稿は、そのアカウントのフォロワーにしか表示されないので、フォロワー以外のユーザーにはアプローチできないという難点があります。しかし、埋め込み機能を使えば、公式アカウントでの投稿内容をフォロワー以外にも見てもらえるようになるため、ECサイトを訪問してきた消費者へ効果的に訴求できるのです。
公式アカウントの投稿を埋め込む場合、商品・サービスの広告だけではなく、利用方法などの動画も紹介すると、消費者の関心を引ける可能性が高まります。
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スタッフの投稿
商品・サービスの魅力を伝えたいなら、スタッフによる投稿も有用なコンテンツです。特にアパレル系のECサイトを運営している場合、スタッフが商品を着用した投稿を埋め込めば、着用時のイメージが湧きやすくなるほか、コーディネートの参考にもなります。
また、ECサイトを訪問してきた消費者に対し、視覚的な楽しさも伝えられるため、商品のプロモーションとしても効果的です。
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インフルエンサーの投稿
インフルエンサーや公式アンバサダーの投稿を埋め込むことは、高い宣伝効果が期待できる方法です。
通常のインスタ投稿を見るのはフォロワーだけであり、なおかつ何度も同じ投稿を見るケースは少ないので、商品・サービスの魅力を伝えきれない可能性もあります。
一方、ECサイトに埋め込むと、その投稿が長く見られるようになるため、結果として宣伝効果を維持できるのです。
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UGCの投稿
UGC(User Generated Content)は、一般ユーザーの投稿によるコンテンツです。
インスタ上で発信された口コミ的な投稿を埋め込むと、ユーザーに親近感や信頼感を与えやすくなります。また、商品・サービスの評判をECサイト上で表示できるため、離脱率低下につながることもメリットです。
UGCの詳細については、以下の記事で解説しています。
https://www.yotpo.jp/what-is-ugc#ch1
ECサイトのインスタ埋め込み活用方法&事例
EC サイトにおけるインスタ投稿の埋め込み活用方法、および活用事例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
商品カタログとして活用する
ECサイトにインスタ投稿を埋め込むことで、商品カタログとして活用できるようになります。埋め込んだ投稿を自動更新する外部ツールを使えば、インスタから投稿するだけでECサイト側も一緒に更新されるため、手間を省くことが可能です。
ECサイトはSNSより多くのコンテンツを掲載できるので、インスタだけでは紹介しきれないブランドの世界観、商品の詳細スペックといった情報も提供できるようになります。
さらに、商品の魅力やストーリーをECサイト上で伝えれば、より購買意欲を刺激できるでしょう。
埋め込みした投稿にCTAボタンを設置
ECサイトにインスタ投稿を埋め込んだ場合、各投稿にCTA ボタンを設置できます。CTA(Call To Action)とは、ユーザーが有益な行動をとってくれるよう誘導することです。
「購入」「予約」「お問い合わせ」といったCTAボタンを設置したうえで、誘導したいページにリンクさせれば、画像のビジュアルも含めた購買行動の導線を作ることができます。
インスタ埋め込みを活用した企業の事例
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某鉄道会社
沿線の名産品を販売するECサイトを運営しており、そのサイト内でUGCの埋め込みを活用しています。商品の写真だけではなく、ユーザーコメントを見やすく掲載することで、売上アップにつながった事例です。
ユーザーコメントには、商品に対するリアルな意見が書かれているので、他のユーザーにとって価値が高い情報となっています。
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某日用品メーカー
主力商品の新規モニター募集ページ、および定期購入引き上げページにUGCを埋め込むことで、CVR(コンバージョン率)と売上がアップした事例です。
こちらも商品の写真とユーザーコメントを一緒に掲載しており、実際に使ってみた感想や率直な意見が書かれているので、商品の魅力をより的確に伝えられます。
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某インテリア雑貨メーカー
インテリア雑貨商品を紹介するコンテンツとして、ECサイトに動画のUGCを埋め込んだ事例です。商品のディテールや使い方など、静止画では伝えきれない情報も動画ならわかりやすく伝えられます。
また、動画コンテンツを一から制作すると時間がかかりますが、UGCならその手間を省けることもポイントです。
ECサイトに埋め込むインスタ投稿4種類の事例
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某スキンケアブランド(企業の公式アカウントの投稿)
公式アカウントの投稿を埋め込んで、自社製品のパッケージ画像をきれいに表示させた事例です。投稿内容は随時更新されるので、ECサイトを訪れるユーザーの目を楽しませています。
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某アパレル会社(スタッフの投稿)
店舗スタッフが投稿した写真や画像を埋め込み、スタッフスタイリングコンテンツを生成した事例です。コーディネートの参考になるのはもちろん、ECサイトが華やかになっています。
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某シューズブランド(インフルエンサーの投稿)
公式アンバサダーの投稿を埋め込んで、企業側では表現できないリアルなコンテンツを生成した事例です。ECサイト上で投稿を有効活用しつつ、長期的な宣伝効果を発揮させています。
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某インテリアメーカー(UGC の投稿)
キャンペーンの一環として UGC を埋め込み、顧客のインテリアコーディネートを紹介した事例です。ファンとのコミュニケーションの場を設けつつ、商品の魅力を伝えています。
EC サイトにインスタを埋め込みするメリット
- UGCで購買行動を促す
ECサイトの商品ページなどにUGCの投稿を埋め込むと、消費者の購入意欲を高めることができます。インスタ上に書かれたユーザーのリアルな意見が、購買行動を後押しするからです。
また、企業が自社の商品・サービスについて発信する場合、基本的に長所を伝える広告がメインです。しかし、このようなコンテンツはユーザーから見れば、客観性に欠けています。
UGCは広告と違って消費者目線であり、長所も短所もまとめて伝えているため、信頼感や共感を得やすいといえるでしょう。
- CVRの向上につながる
UGC の投稿を埋め込んだり、CTA ボタンを設置したりすることで、CVR(コンバージョン率)の向上が期待できます。
UGC は企業から発信できない、ユーザー目線の情報が集まったものです。口コミや使用感といった意見はもちろん、生活感のある写真や動画にもリアルさがあるので、ユーザーが購入を検討するうえで役立つ判断材料となります。
また、CTA ボタンで購買意欲を持続できるので、他サイトへの離脱を防ぐことも可能です。EC サイト内の回遊率・滞在時間の向上が見込めるので、結果として CVR の向上にもつながります。
ただし、UGC を活用する場合、効果測定・分析を行ない、PDCA を回して改善に取り組むことが大切です。
- SEO対策も可能
インスタの埋め込み機能を活用すれば、EC サイトの検索順位を上げる SEO 対策もできます。Google のアルゴリズム変更により、顧客体験(UX)を重視する傾向が強まっているからです。
- 自社の公式アカウントを紹介できる
自社の公式アカウントの投稿を EC サイトに埋め込むことで、公式アカウントの紹介になることもメリットです。単にインスタのアイコンを表示するより、投稿をそのまま埋め込んだほうがフォローされる可能性も高まります。
すぐ購入に至らなくても、公式アカウントのフォロワーが増えれば、購買行動の足がかりになるでしょう。
インスタの埋め込み活用における注意点
インスタの埋め込み機能は大きなメリットをもたらしますが、ECサイトへの埋め込みにあたって、いくつか注意すべきポイントがあります。
注意点を把握していなかった場合、トラブルに発展する可能性もあるので、きちんと押さえておきましょう。
- 埋め込みできない投稿がある
前述のとおり、埋め込み機能は公開アカウントのみ対応しているので、非公開アカウントの投稿を埋め込むことができません。同様に24時間で自動削除されてしまうストーリーズ投稿も、埋め込み不可となっています。
ただし、後者については「投稿としてシェア」を選択すれば、インスタのフィードに投稿されるため、ECサイトへの埋め込みが可能です。なお、動画は静止画になってしまうので、その点に注意しましょう。
- 投稿の削除や変更で非表示になる
自社以外のアカウントから投稿された内容を埋め込む場合、あらかじめ投稿者に使用許可を得る必要があります。投稿の著作権は投稿者に帰属するため、無許可で埋め込むと著作権侵害になってしまう可能性があるからです。
以前はインスタ上の画像に関して、埋め込み機能で表示された分は「投稿者の許諾は不要」とされていました。しかし、2020年にInstagram社は公式見解として「埋め込み機能を使っても著作権侵害にあたる」と発表しています。
著作権を侵害した場合、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金という罰則が科せられる可能性もあるので、十分に注意しなければなりません。埋め込み機能に使用許可をとる機能はないため、DMなどで投稿者に連絡しましょう。
また、UGCを埋め込む場合、他社商品やロゴの映り込みがないか確認することも大切です。もし映っていた場合、肖像権や商標権を侵害するリスクが生じます。
- 埋め込みの使用許可&著作権に注意する
ECサイトに埋め込んだ投稿をインスタ側で投稿者が削除した場合、それと連動してECサイト側の投稿も表示されなくなってしまいます。該当の投稿がアーカイブされても同様に非表示となるため、あらかじめ注意が必要です。
また、投稿に変更・修正があった場合、ECサイト側の投稿が自動的に書き換えられる点にも注意しましょう。
インスタ投稿を埋め込んだ場合、ECサイト内できちんと表示されているか、定期的に確認することが大切です。削除や変更がなくても投稿が表示されないときは、ブラウザを最新バージョンにアップデートする、HTML コードの貼り付け場所を確認するなど、他の対策も講じましょう。
- UGCは収集にコツが必要
UGCで成果を得るためには、議題解決や目標に合ったUGCを集めなければなりません。収集方法はインスタ上でのハッシュタグ検索が一般的ですが、膨大な数になると手間がかかってしまいます。
また、UGCを埋め込む場合、投稿者の使用許可が必要です。前述した著作権侵害にあたらないよう、必ず連絡をとって確認しましょう。
UGCを活用するためには、以下のような機能が搭載されている専用ツールを導入したいところです。
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UGCの収集・選定
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使用許諾の取得
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効果測定
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UGCの生成
UGCの収集や使用許諾をスムーズに実施したいなら、UGCマーケティングツール「YOTPO(ヨットポ)」がおすすめです。業界トップクラスの開封率・収集率を誇る「レビューリクエストメール」や購入意欲を刺激する「ビジュアル UGC 収集」など、便利な機能がそろっています。
YOTPOの詳細については、以下のページでご確認ください。 -
- https://www.yotpo.jp/platform
まとめ
インスタの埋め込み機能を使えば、Web サイトに画像や動画といった投稿をそのまま表示させることができます。
EC サイトの場合、自社の公式アカウントの投稿や UGC の投稿を埋め込むのがおすすめです。特に UGC は商品・サービスに関するリアルな意見や使用感が反映されているので、ユーザーの購買意欲を高める切り札となるでしょう。
一方、インスタ投稿を埋め込む場合、投稿者の使用許諾や適切な UGC の収集など、いくつか注意点があります。その辺りもきちんと押さえて、EC サイトの発展に役立てましょう。