UGCの種類、活用方法と成功した企業アカウント事例を紹介!
そもそもUGCとは何か?
UGCとは「User Generated Contents」の略で、一般のユーザーが生成するコンテンツのことです。個人が制作したものを指し、企業が発信する広告などは該当しません。
具体的にはSNS、口コミサイト、インターネット掲示板などに投稿されたリアルな声や意見を指します。テキストや画像だけでなく、動画もUGCとして注目を集めています。
なお、UGCと似た用語のCGMは「Consumer Generated Media」の略で、UGCによって構成されているメディアのことです。「食べログ」や「クックパッド」などが代表例で、掲示板や口コミサイトなどもCGMに含まれます。
インスタにおけるUGCとは?
InstagramのUGC とは、ユーザーが自分自身のアカウントに投稿した写真、ストーリーズなどが該当します。Instagramが普及した当初、ユーザーの多くは若い女性で、「映える」写真に人気がありましたが、近年は年齢層が広がり、男女差も従来ほどではなくなりました。ユーザーの増加で投稿内容も変化し、映える写真ばかりではなく何気ない日常の投稿も人気を集めています。
Instagramは写真がメインのSNSのため、写真の質や話題性が大切です。アパレルや日用品などの有形商材、カフェなどの飲食店、商業施設などの商材は相性がよいでしょう。
インスタのUGCは購買行動に影響を与える
Instagram のUGCは消費者の購買行動への影響度が高く、企業アカウント運用や広告マーケティング、インフルエンサーマーケティングなどに活用されています。
その理由として、消費者の広告に対する意識の変化が挙げられます。従来の企業による広告は、良い部分だけを伝える売り込みだととらえる消費者が増えました。
一方でUGCは、一般ユーザーによる発信情報なので、消費者と同じ立場での使用感や率直な感想がわかり、信頼度や影響度が高いことが特徴です。レビューなどのテキストと比べると画像や動画は情報量が多く、テキストでは伝えきれない情報もわかりやすく伝えられます。
そのため、商品を購入する前にInstagramで検索して、購入するか否かを判断する人も増えています。UGCを利用して商品を購入するまでの流れは、以下のようなものが考えられます。
- ユーザーの投稿を見て、商品に興味を持つ
- 気になった商品の画像を保存しておく
- Instagram のハッシュタグ検索で気になった商品を検索して、他の投稿も探す
- 一般ユーザーの投稿で、リアルな使用感を知る
- Google やヤフーなどで商品を検索して、詳細情報を調べる
- 商品を購入する
インスタのUGCを活用する4つのメリット
InstagramでUGCを活用するメリットを、4つに分けて説明します。
-
商品やサービスを認知してもらえ
UGCが投稿されることによって、投稿したユーザーのフォロワーにとっては、今まで知らなかった商品やサービス、企業を認知するきっかけになります。
また、Instagramを検索ツールとして利用する消費者が増加しているため、魅力的な投稿が多ければ、商品に興味を持ってもらえる可能性も高くなります。UGCの活用により、従来の手法では商品を知ってもらえなかった層に対して、新たにアプローチできるようになるでしょう。
-
アカウントの運用コストを削減できる
企業が自社でアカウントを運用するには、投稿素材の制作にコストが発生します。一方、UGCはユーザー自らがコンテンツを作るため、制作コストや人件費などが不要になり、コストを削減できるでしょう。
運用には定期的な投稿が必要ですが、ユーザーが投稿してくれると素材不足やアイデア切れに悩むことも少なくなります。クリエイティブ制作にかかる時間や労力を削減できるだけでなく、企業担当者とは違った目線からの投稿が増えることもメリットです。また、一般ユーザーの投稿とはいってもクオリティの高いものも多いため、企業アカウントがリポストなどを行なっても違和感を与えにくいでしょう。より多くの消費者に自社商品やサービスを拡散できる。
-
広告を感じさせない
UGCは一般人が撮影しており、日常の一部のような映像や動画が多いため、プロにはない構図や加工になることも特徴です。
プロが撮影したとわかるような広告は、企業からの一方的な押しつけ感が強く、フォローされにくくなる可能性があります。一般ユーザーの自然な投稿であれば、親しみやすい印象を与えるため、フォローされやすくなることもメリットです。広告よりも記憶に残る。
-
ユーザーと企業の距離が近くなる
一方的に広告を投稿する企業アカウントと比べると、UGC投稿も加えることで消費者との距離が近くなるでしょう。UGC使用許可のやりとりなどを通じて、顔の見えない企業が「人」に変わり、距離が縮まりコアなファンになる可能性があります。
また、ハッシュタグ投稿により企業と消費者の結びつきを醸成することも可能です。ハッシュタグの使用方法は、次項で詳しく説明します。
インスタのUGCの種類と活用方法
InstagramのUGCの種類と活用方法を、それぞれ2種類ずつ説明します。
インスタにおけるUGCの種類
Instagram のUGCはキャンペーン参加型、リポスト誘致型の2種類があります。それぞれの内容や特徴を説明します。
-
キャンペーン参加型のUGCとは?
キャンペーン参加型のUGC は、キャンペーン用のハッシュタグを付けてInstagramに投稿することです。投稿に使用するハッシュタグは、企業独自のものを作成します。投稿者のなかから、抽選でプレゼントや割引クーポンなどをプレゼントすれば、ユーザーは投稿するインセンティブが得られるでしょう。
-
リポスト誘致型のUGCとは?
リポストはリグラムとも呼ばれ、他の人が投稿した内容を自分のアカウントでシェアすることです。リポスト誘致型のUGCは、企業の公式アカウントでUGCをリポストすることを明言して、ユーザーに投稿を促します。リポストは、認知度を上げたいユーザーの希望を満たせるため、キャンペーン型と比較すると難易度は低く、多くの成功事例が見られます。
【活用方法】1:UGCのみをリポストで運用する
リポストによる企業アカウントの運営は、運用コストを抑えられることが特徴です。しかし、十分な量の投稿を確保できるとは限らず、想定していたような投稿頻度にならない可能性があるほか、コンテンツ内容も企業はコントロールしにくく、アピールしたい内容の投稿が集まらないこともあるでしょう。また、リポストする際は元の投稿ユーザーがわかるように配慮する必要もあります。
【活用方法】2:自社の投稿とUGCの併用
もう一つの活用方法は、UGCだけに頼るのではなく、自社の投稿も併用することです。UGCのリポストとともに自社コンテンツも併せて投稿すれば、アピールしたい方向がコントロールできるでしょう。
併用方式は、コンテンツの内容が安定しやすく、企業の運用が容易なことがメリットです。運用するための人的リソースが足りない場合は、許可取得作業などをアウトソーシングしてもよいでしょう。
インスタのUGCを活用するまでの流れ
Instagram の UGC を活用する 4 つの流れを説明します。思うようにうまくいかない可能性もありますが、まずは試してみて少しずつ改善するとよいでしょう。
-
自社独自のハッシュタグを設
膨大な投稿からUGCを探すのは難しいため、まずは独自のハッシュタグを設定して見落としを防ぎます。ハッシュタグは、自社アカウントのキャプションなどで指定し、ユーザーに使用を促しましょう。
ハッシュタグは、覚えやすく打ちやすい内容にするのがコツです。ブランド名など単純すぎるものだと、リポスト用とは知らずに使用されることもあるため、他とかぶらないようにすることも必要でしょう。
-
ユーザーの投稿から取捨選択する
ハッシュタグが付いた投稿のなかから、自社の方向性とマッチする投稿を探します。投稿数が多い場合は、ハッシュタグ収集ツールの利用がおすすめです。収集ツールは自動で投稿を収集してくれるため、選択作業が効率化されます。
収集する前に、収集目的や課題を明確にしておくと作業時間が短縮されます。例えば、商品やサービスの認知拡大が目的なのか、商品の購入を促す目的なのかで収集するUGCは異なるため、あらかじめ活用目的を明確にしておきましょう。
-
投稿者に使用の許可を取る
活用するUGCが決まったら、投稿者に使用の承諾を得ます。UGCには著作権と肖像権があり、無断で使用すると訴訟問題に発展する可能性もあるためです。一般ユーザーの投稿は許可を得る必要がありますが、事前に二次活用の許諾を得ているインフルエンサー施策などの場合は、必ずしもその必要はありません。
許諾申請を行なう際は、InstagramのコメントやDMで伝えます。対象の数が多い場合は、投稿にコメントを付けて自動で使用許可申請を送るツールや、代行サービスを利用してもよいでしょう。
-
リポストで投稿する
投稿者から許可が得られたら、UGCをリポストで投稿します。元の投稿者がわかるように、キャプションに記入しタグ付けをしましょう。写真や動画の著作権は投稿者にあるため加工や編集は基本的に行なわず、加工が必要な場合は必ず投稿者への相談が必要です。
投稿者にはお礼や感謝のコメントを添えると、ユーザーの印象が良くなります。リポストしたあとは、投稿の報告をかねてお礼を伝えましょう。
UGCを活用した企業アカウントの事例
UGCを活用した企業アカウント例を、3つ紹介します。
-
薬機法
薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」であり、一般消費者のレビューも法律の対象です。消費者は薬機法の知識が少ないため、ECサイトやLPに掲載したレビューが薬機法違反になる可能性があります。
レビューを書いたのは消費者であったとしても、活用したUGCは企業の表現物とみなされます。UGCを選定する際、薬機法違反になる表現がないか、十分に注意しましょう。
また、化粧品でシワが消えた、サプリで髪が生えたなど、消費者が個人的に実感した効果をSNSに投稿する場合があります。たとえ効果が事実であっても、表現によっては薬機法違反になりやすいので注意しましょう。
-
著作権
UGCの著作権は、作成した投稿者にあります。自社商品製品やサービスに関するコンテンツに使用する場合でも、UGCの著作権をもつ投稿者に許可をとらなければなりません。万が一、UGCを無断で利用した場合、著作権侵害につながるので注意が必要です。
レビュー依頼メールでUGCを収集する場合、利用規約を添付し、レビュー投稿と同時にUGCを活用する同意を求めるとよいでしょう。また、SNSのハッシュタグで見つけたUGCを使用したい場合、投稿者へのコメント、またはDMで直接連絡することをおすすめします。なお、UGCをコンテンツとして使用する場合、投稿者の名前を記載するか話し合っておくとよいでしょう。
UGCの数が多い場合、投稿者一人ひとりに許可をとるのは骨の折れる作業です。しかし、自社に関するUGCを投稿するユーザーはロイヤリティが高いことが多いため、コミュニケーションをとることでエンゲージメントを深めるきっかけになります。
-
誤った情報を拡散しないようにする
一般消費者によって投稿されたコンテンツには、間違った情報が記載されているものもあります。間違った情報のUGCをそのままECサイトに掲載すると、炎上や企業のイメージダウンにつながるリスクがあります。
UGCをECサイトのコンテンツやリポストする場合、コンテンツの内容が正しいものか、確認することが大切です。誤った情報を拡散しないようにす。
まとめ
消費者目線で率直な意見を投稿する UGCは、マーケティング領域において重要な役割を担っています。Web広告に対する嫌悪感や不信感により、消費者は UGCを信頼できる情報と位置付けるためです。
UGCをマーケティングに活用することで、信憑性の高い情報を伝えられ、商品に対する共感や親近感を醸成できます。自社商品の改善や開発にも役立つため、UGCを積極的に活用することが CVR の向上に役立ちます。
ただし、UGCを活用する際、薬機法違反がないか確認する、投稿者の使用許可をとる、誤った情報を拡散しないことが大切です。
ECサイトを展開する多くの企業では、EC事業者向けUGCマーケティングプラットフォームである「YOTPO」が選ばれています。ECサイトのCVRが上がらない、UGCマーケティングを活用したい企業様は、YOTPOの公式サイトをご確認ください。
YOTPOお問い合わせフォーム:https://www.yotpo.jp/form